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シリーズ第12回はクラシック音楽界の大物、ハイドンの超レア楽曲に焦点をあてました。
ハイドンが仕えていたエステルハージ家の当主、ニコラス1世はバリトンという楽器を愛していました。17世紀後半に発案されたものの、19世紀にはほとんど廃れてしまった擦弦楽器なのですが、ハイドンは、この超レア楽器を使った作品を、ニコラス1世のために数多くのこしています。
今回は、それらの作品の中からバリトン三重奏曲をお楽しみいただきます。エステルハージ家の典雅なホールにタイムスリップするような演奏をお楽しみください。
【プレイリスト】
1. バリトン三重奏曲第67番 ト長調 Hob.XI:67 - I. Allegretto
2. バリトン三重奏曲第6番 イ長調 Hob.XI:6 - I. Più tosto Adagio
3. バリトン三重奏曲第113番 ニ長調 Hob.XI:113 - I. Adagio
4. バリトン三重奏曲第71番 イ長調 Hob.XI:71 - III. Finale: Allegro di molto
5. バリトン三重奏曲第35番 イ長調 Hob.XI:35 - II. Allegro molto
6. バリトン三重奏曲第93番 ハ長調 Hob.XI:93 - II. Menuett – Trio
7. バリトン三重奏曲第69番 ト長調 Hob.XI:69 - I. Adagio
8. バリトン三重奏曲第9番 イ長調 Hob.XI:9 - I. Moderato
9. バリトン三重奏曲第58番 ニ長調 Hob.XI:58 - III. Finale: Allegro di molto
10.バリトン三重奏曲第61番 ニ長調 Hob.XI:61 - I. Allegro
11.バリトン三重奏曲第87番 イ短調 Hob.XI:87 - I. Adagio
12.バリトン三重奏曲第55番 ト長調 Hob.XI:55 - I. Moderato
バレンシア・バリトン・プロジェクト Valencia Baryton Project
ヨーゼフ・ハイドンは、ほぼ25年間にわたり、裕福なエステルハージ家の宮廷音楽家として奉職していました。とりわけ彼が宮廷楽長を務めていた時期の当主ニコラウス1世(1714-1790)は音楽に深い理解を示し、ハイドンの活動を奨励したため、ハイドンはそれに応えるべく数多くの作品を生み出し、熱心に演奏したのです。
そのニコラウス1世が好んだのがバリトンという楽器でした。これは17世紀後半に発案されたヴィオール属の擦弦楽器で、通常6本~7本のガット弦と、前面を板で覆われた9本から24本(12本が多い)の金属弦を持っており、こちらは共鳴弦であると同時に、左手の親指ではじくことが出来るというもの。
しかし、弦が多いため調弦も演奏も難しく、19世紀にはほとんど廃れてしまいました。当初、ハイドンはこの楽器についてほとんど知識がなかったようですが、主君のために楽器を研究し、バリトンとヴィオラ、チェロによる126曲もの三重奏曲をはじめ、二重奏曲や協奏曲を作曲しています。
これらの三重奏曲は5巻のシリーズで出版されましたが、楽器の希少性のためか、現在ではほとんど演奏されることがありません。尚、この楽器に最も適した調性はイ長調なので、多くの曲はイ長調で書かれています。
ナクソス・レーベルから2021年に発売された第1集と、2023年11月に発売された第2集にそれぞれ6曲のバリトン三重奏曲が収録されていますが、今回配信するセレクションでは全12曲から1トラックずつピックアップしています。
全曲を演奏するバレンシア・バリトン・プロジェクトは、ソフィア王妃芸術宮殿やモンペリエ国立管弦楽団で活動するメンバーによるトリオ。バリトン奏者マシュー・ベイカーが弾くのは2004年に制作されたOwen Morse-Brownによる復元楽器で、18世紀の典雅な響きが忠実に再現されています。
リンク先:naxosjapan.lnk.to/8.574504