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聴いてみなくちゃはじまらない 『超レア作曲家事典』 Presented by Naxos Japan
第14回(最終回) ジョゼ・ヴィアンナ・ダ・モッタ - José Vianna da Motta (1868-1948)
2024年2月23日配信開始~2024年3月22日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。

シリーズはいよいよ最終回!棹尾を飾る『超レア作曲家』は、ポルトガル生まれのジョゼ・ヴィアンナ・ダ・モッタです。 フランツ・リストやハンス・フォン・ビューローなどに師事した彼は、ピアニストとして名声を博したばかりでなく、作曲家としても高く評価されていました。 今日ではほとんど省みられることのない作品ばかりですが、リストの交響詩やワーグナーを聴いているような重厚感溢れる作品の数々をお楽しみください。

【プレイリスト】
1. ピアノ三重奏曲 ロ短調 - I. Agitato
2. ピアノ三重奏曲 ロ短調 - IV. Allegretto
3. 幻想的小品 Op.2
4. 5つのポルトガル狂詩曲 - 第1番 ト長調「ファド」
5. 5つのポルトガル狂詩曲 - 第4番 変イ長調「夕べの祈り」
6. 交響曲「祖国」 Op. 13 - I. Allegro eroico
7. 序曲「ドナ・イネス・デ・カストロ」

トリオ・パンゲア ①②
ジョアン・コスタ・フェレイラ (ピアノ) ③④⑤
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団/アルヴァロ・カッスート (指揮) ⑥⑦
(AUDIO:62分)

ポルトガルの海外領土(当時)であったサントメ島に生まれたヴィアンナ・ダ・モッタ(1868-1948)は、幼い頃から音楽の才能を発揮し、1875年から1881年までリスボン国立音楽院でピアノと作曲を学びます。その後、1882年にベルリンに留学し、シャルヴェンカ兄弟に師事し、1885年からヴァイマールにてフランツ・リストの高弟となりました。

リストの死後はハンス・フォン・ビューローにも学び、当時の最も著名なピアニストの一人として名声を獲得しました。作曲家としても、ポルトガル音楽界に最初にナショナリズムの作風を取り入れた先駆者として賞賛されました。しかし、1900年代になって音楽が「現代的」な様相を帯びてくると、自らの作風との不一致を感じたのか、1910年頃には作曲活動を停止してしまいます。

今回のセレクションは、2024年1月リリースの秘曲シリーズ「ポルトガルのピアノ三重奏曲集 第3集」(Naxos)に収録された作品をはじめ、レアなピアノ曲をリリースし続ける Grand Piano レーベルでリリースされた作品集からのピックアップ。そして「祖国」をはじめ、近年見直されている管弦楽作品を追加しました。リストの交響詩やワーグナー作品を聴いているような高揚感を味わえることでしょう。

リンク先:https://open.spotify.com/intl-ja/album/7casKLjnonVoPamit7mWk0
聴いてみなくちゃはじまらない 『超レア作曲家事典』 Presented by Naxos Japan
第13回 ジョヴァンニ・ズガンバーティ - Giovanni Sgambati (1841-1914)
2024年1月26日配信開始~2024年2月22日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。

シリーズ第13回はイタリアの作曲家、ジョヴァンニ・ズガンバーティが登場します。
ワーグナーを敬愛し、リストとも親交を結んだズガンバーディは、イタリア・オペラ絶頂期に、あえて室内楽曲や管弦楽曲を作曲し、「イタリア器楽曲のルネッサンス」とも言える潮流を創り上げました。リストやワーグナーの影響を感じさせるドイツ風の重厚さに加え、イタリア風の歌心が調和した魅力的な作品の数々をお楽しみください。

【プレイリスト】
1, シンフォニア・フェスティヴァ(祝典序曲)

ピアノ協奏曲 ト短調 Op. 15
2. II. Romanza: Andante sostenuto

シンフォニア・エピタラミオ(婚礼の交響曲)
3. 第1部 教会にて(前奏曲と賛歌)
4. 第2部 庭にて(民衆の祭りと夜想曲)
5. 第2部 庭にて(再興と子供たちの笑い声)

交響曲第1番 ニ長調 Op. 16
6. I. Allegro vivace, non troppo
7. IV. Serenata: Andante
8. V. Finale: Allegro con fuoco

ローマ交響楽団/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア (指揮) ① ③-⑧
マッシミリアーノ・ダメリーニ (ピアノ)/ローマ交響楽団/フランチェスコ・ラ・ヴェッキア (指揮) ②

ジョヴァンニ・ズガンバーティは、イタリア人の父とイギリス人の母のもとにローマで生まれ、父の死を機にトレーヴィに移住、ここで歌手、指揮者として活躍しました。ワーグナーを敬愛していた彼は、1860年にローマに戻り、当時イタリアで演奏されることが稀であったドイツ音楽の普及に力を尽くしました。またフランツ・リストとも親交を結んだことでも知られています。

この頃のイタリアはオペラが絶頂期を迎えていて、数々の名作が生まれていたのですが、ズガンバーティはあえて室内楽や管弦楽作品を作曲し、「イタリア器楽曲のルネサンス」とも言える潮流を創り上げたのです。何しろ当時のイタリアはベートーヴェンの英雄交響曲ですら、演奏されたことがなかったのですから……。そんな彼の音楽には、紛れもなくリストとワーグナーの影響が見て取れ、どれもドイツ風の重厚さとイタリア風の歌心が調和した魅力的な音楽となっています。

このセレクションでは、優れたピアニストでもあったズガンヴァーティの技巧がうかがえる華麗な「ピアノ協奏曲」と、短いながらも、ベートーヴェンの第7交響曲を彷彿させる舞踏的な性格を持つ「シンフォニア・フェスティヴァ」、1888年にサヴォイア公アマデオの結婚式で演奏された「シンフォニア・エピタラミオ(婚礼の交響曲)」、地中海のさわやかな風を思わせる交響曲第1番からそれぞれ抜粋でお楽しみいただけます。

演奏はいずれもフランチェスコ・ラ・ヴェッキアが指揮するローマ交響楽団(ピアノ協奏曲はマッシミリアーノ・ダメリーニの独奏)の演奏です。

リンク先:https://open.spotify.com/intl-ja/album/6WGP4cyYKaj8Awrzt7UBWf?si=c2xvLMBqSQmSfj1ptaqf9A&nd=1&dlsi=1e33c06e66ef4b92
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第12回 フランツ・ヨーゼフ・ハイドン - Franz Joseph Haydn (1732-1809)
2023年12月22日配信開始~2024年1月26日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。

シリーズ第12回はクラシック音楽界の大物、ハイドンの超レア楽曲に焦点をあてました。
ハイドンが仕えていたエステルハージ家の当主、ニコラス1世はバリトンという楽器を愛していました。17世紀後半に発案されたものの、19世紀にはほとんど廃れてしまった擦弦楽器なのですが、ハイドンは、この超レア楽器を使った作品を、ニコラス1世のために数多くのこしています。
今回は、それらの作品の中からバリトン三重奏曲をお楽しみいただきます。エステルハージ家の典雅なホールにタイムスリップするような演奏をお楽しみください。

【プレイリスト】
1. バリトン三重奏曲第67番 ト長調 Hob.XI:67 - I. Allegretto
2. バリトン三重奏曲第6番 イ長調 Hob.XI:6 - I. Più tosto Adagio
3. バリトン三重奏曲第113番 ニ長調 Hob.XI:113 - I. Adagio
4. バリトン三重奏曲第71番 イ長調 Hob.XI:71 - III. Finale: Allegro di molto
5. バリトン三重奏曲第35番 イ長調 Hob.XI:35 - II. Allegro molto
6. バリトン三重奏曲第93番 ハ長調 Hob.XI:93 - II. Menuett – Trio
7. バリトン三重奏曲第69番 ト長調 Hob.XI:69 - I. Adagio
8. バリトン三重奏曲第9番 イ長調 Hob.XI:9 - I. Moderato
9. バリトン三重奏曲第58番 ニ長調 Hob.XI:58 - III. Finale: Allegro di molto
10.バリトン三重奏曲第61番 ニ長調 Hob.XI:61 - I. Allegro
11.バリトン三重奏曲第87番 イ短調 Hob.XI:87 - I. Adagio
12.バリトン三重奏曲第55番 ト長調 Hob.XI:55 - I. Moderato

バレンシア・バリトン・プロジェクト Valencia Baryton Project

ヨーゼフ・ハイドンは、ほぼ25年間にわたり、裕福なエステルハージ家の宮廷音楽家として奉職していました。とりわけ彼が宮廷楽長を務めていた時期の当主ニコラウス1世(1714-1790)は音楽に深い理解を示し、ハイドンの活動を奨励したため、ハイドンはそれに応えるべく数多くの作品を生み出し、熱心に演奏したのです。

そのニコラウス1世が好んだのがバリトンという楽器でした。これは17世紀後半に発案されたヴィオール属の擦弦楽器で、通常6本~7本のガット弦と、前面を板で覆われた9本から24本(12本が多い)の金属弦を持っており、こちらは共鳴弦であると同時に、左手の親指ではじくことが出来るというもの。

しかし、弦が多いため調弦も演奏も難しく、19世紀にはほとんど廃れてしまいました。当初、ハイドンはこの楽器についてほとんど知識がなかったようですが、主君のために楽器を研究し、バリトンとヴィオラ、チェロによる126曲もの三重奏曲をはじめ、二重奏曲や協奏曲を作曲しています。

これらの三重奏曲は5巻のシリーズで出版されましたが、楽器の希少性のためか、現在ではほとんど演奏されることがありません。尚、この楽器に最も適した調性はイ長調なので、多くの曲はイ長調で書かれています。

ナクソス・レーベルから2021年に発売された第1集と、2023年11月に発売された第2集にそれぞれ6曲のバリトン三重奏曲が収録されていますが、今回配信するセレクションでは全12曲から1トラックずつピックアップしています。

全曲を演奏するバレンシア・バリトン・プロジェクトは、ソフィア王妃芸術宮殿やモンペリエ国立管弦楽団で活動するメンバーによるトリオ。バリトン奏者マシュー・ベイカーが弾くのは2004年に制作されたOwen Morse-Brownによる復元楽器で、18世紀の典雅な響きが忠実に再現されています。

リンク先:naxosjapan.lnk.to/8.574504
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第11回 ロレンツォ・ペロージ - Lorenzo Perosi (1872-1956)
2023年11月24日配信開始~12月22日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。第11回は稀代のメロディーメーカー、プッチーニが脱帽したと伝えられるロレンツォ・ペロージの室内楽曲をお届けします。とにかく美しい旋律の数々!知られざる作曲家ペロージの名品をお楽しみださい。

【プレイリスト】
ピアノ五重奏曲第3番 イ短調 - I. Mosso
ピアノ五重奏曲第3番 イ短調 - II. Adagio
ピアノ五重奏曲第4番 イ長調 - II. Adagio
弦楽三重奏曲第1番 ニ長調 - I. Vivo
弦楽三重奏曲第1番 ニ長調 - II. Adagio
弦楽三重奏曲 ト短調(スクール・エクササイズ)
弦楽三重奏曲 ハ短調「フーガ・フェナローリ」
ピアノ五重奏曲第1番 ヘ長調 - III. Vivo
ピアノ五重奏曲第2番 ニ短調 - I. Moderatamente mosso
10. ピアノ五重奏曲第2番 ニ短調 - III. Vivo
11. 弦楽三重奏曲第2番 イ短調 - I. Mosso
12. 弦楽三重奏曲第2番 イ短調 - II. Andante

1~3 ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
〜 レオナルド・スピネディ (ヴァイオリン)/河崎日向子 (ヴァイオリン)/ロレンツォ・ルンド (ヴィオラ)/アンジェロ・マリア・サンティージ (チェロ)/マッテオ・ベヴィラクア (ピアノ)

4~7 ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
〜 レオナルド・スピネディ (ヴァイオリン)/ロレンツォ・ルンド (ヴィオラ)/アンジェロ・マリア・サンティージ (チェロ)

8~10 ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
〜 レオナルド・スピネディ (ヴァイオリン)/河崎日向子 (ヴァイオリン)/ロレンツォ・ルンド (ヴィオラ)/アンジェロ・マリア・サンティージ (チェロ)/マッテオ・ベヴィラクア (ピアノ)

11~12 ローマ・トレ・オーケストラ・アンサンブル
〜 レオナルド・スピネディ (ヴァイオリン)/ロレンツォ・ルンド (ヴィオラ)/アンジェロ・マリア・サンティージ (チェロ)

ペロージはピエモンテ州トルトーナに生まれミラノの音楽院で学んだのち、ヴェネツィアのサン・マ ルコ大聖堂の楽長を務め、オラトリオなどの宗教的な声楽作品で国際的な名声を得ました。 1920年代には一時的に精神疾患を患い休職せざるを得ませんでしたが、回復後は職務に復帰するとともに作曲活動も再開しました。

ピアノ五重奏曲の3番及び4番1931年作曲。当時もまた重病を患いながらも旺盛な創作意欲に掻き立てられていたペロージの豊かなアイデアが感じられる充実した作品です。

弦楽三重奏曲第1番は、急-緩 -急の伝統的な書法で書かれており、合唱作品を得意としたペロージらしい歌心に溢れた作品。

番号なしの弦楽三重奏曲(いずれも世界初録音)は、復帰した時期に書かれた10曲からのチョイスで、どれも断片的であるものの、自身の作曲技法 の更なる向上を目指すための対位法の研究や、ハーモニーの工夫が反映されています。

演奏は2005年に設立されたローマ・トレ・オーケストラのメンバーによるアンサンブル。ローマとラツィオで生まれた最初の大学オーケストラで、若い世代に向けて、素晴らしい音楽を広めることを目的として活動しています。ヴァイオリンの河崎日向子さんはローマ在住。いくつものアンサンブルに参加し活躍しています。

リンク先:https://open.spotify.com/intl-ja/album/6RhmGl09sWkjqYLSRfrCKx?si=LSYxWt-uSWKlEf2waG4JgQ
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第10回 アルベルト・ウィリアムス - Alberto Williams (1862-1952)
2023年10月30日配信開始~11月24日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。第10回はブエノスアイレスに生まれ、奨学金を得てフランスに留学、セザール・フランクに師事したアルベルト・ウィリアムスの作品をお聴きいただきます。

【プレイリスト】
1. ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op. 51
I. Moderato - Allegro maestoso

2. ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 Op. 51
III. Menuetto: Moderato assai

3. ヴァイオリン・ソナタ第3番 ニ長調 Op. 53
I. Allegro non troppo

4. 演奏会用序曲第1番

5. 子守歌 Op. 47
I. Andnate

6. アルゼンチン・ソナタ第1番 Op. 74
II. Vidalita (Andante espressivo)

7. アルゼンチン・ソナタ第1番 Op. 74
III. Malambo (Scherzo vivace, andantino)

8. Waltz Air No. 2, Op. 16

デュオAM (アレハンドロ・アルダーナ [Vln]/ファビオ・マルティーノ [Pf])1~3
ノルウェー放送管弦楽団/ミゲル・アルト=ベドヤ (指揮) 4
バレンチン・スーリフ (ピアノ) 5~7

アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれの作曲家アルベルト・ウィリアムス。幼い頃からピアノの演奏に長けており、7歳の時に演奏会を開いたという記録もあります。地元の学校で音楽を学んだ後、奨学金を得て1880年代にはフランスに留学。セザール・フランクに師事するとともに、当時流行していたワーグナーの音楽に傾倒し、これらに影響を受けた作品を書きました。

彼の「ヴァイオリン・ソナタ第2番」は、確かにフランク風であるとともに、ブラームスのヴァイオリン・ソナタを思わせる抒情性も持ち合わせています。演奏は、ともにブラジルに生まれドイツの大学に学んだアレハンドロ・アルダーナ(ヴァイオリン)とファビオ・マルティーノによるDUO AM です。(収録アルバム品番:8.579120 [Naxos])

「演奏会用序曲第1番」は、ペルー出身の指揮者ミゲル・アルト=ベドヤが、南米を縦断する広大な道路網であり同時にあらゆる文化をつなぐカミノス・デル・インカにインスピレーションを受けて企画したアルバム「インカ・トレイル・コレクション」(8.574266 [Naxos])に収録された1曲。

セレクション後半のピアノ曲は、NAXOSの姉妹レーベル「Marco Polo」のカタログからピックアップ。ブエノスアイレス出身で自国の音楽文化への献身が高く評価されるバレンチン・スーリフの演奏です。

リンク先:https://open.spotify.com/intl-ja/album/2bPcIEjOH3JAtNgNMv7Rwy
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第9回 ルイーズ・ファランク - Louise Farrenc (1804-1875)
2023年9月22日配信開始~10月20日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。 第9回は、女性の音楽活動が困難であった19世紀において、パリ音楽院の初代女性ピアノ科教授に就任し、多大な尊敬を集めたルイーズ・ファランクの作品をお聴きいただきます。

【プレイリスト】
1. ロッシーニの「チェネレントラ」の主題による華麗な変奏曲 Op. 5
2. スイス民謡による変奏曲 Op. 7
3. 主題と変奏 ト長調
4. 30の練習曲 Op. 26 - 第1番 ハ長調(アレグロ・モデラート・エド・エネルジコ)
5. 30の練習曲 Op. 26 - 第8番 ロ短調(アンダンティーノ)
6. 30の練習曲 Op. 26 - 第10番 嬰ヘ短調(アダージョ)
7. 交響曲第1番 ハ短調 Op. 32 - I. Andante sostenuto - Allegro
8. 序曲第1番 Op. 23
9. 「ガレンベルク伯爵」の主題による変奏曲 Op. 25 (ピアノと管弦楽版)
マリア・ストラティグー (ピアノ) 1~6
ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク / クリストフ・ケーニヒ (指揮) 7~8
ジャン・ミュラー (ピアノ) / ソリスツ・ヨーロピアンズ・ルクセンブルク / クリストフ・ケーニヒ (指揮) 9

女性の音楽活動が困難であった19世紀において、パリ音楽院の初代女性ピアノ科教授に就任し、多大な尊敬を集めたのがルイーズ・ファランクです。彼女は幼い頃からピアニストとして活躍するかたわら、パリ音楽院でレイハに作曲と音楽理論を師事、フルート奏者のアリスティドと結婚した後に、最初の管弦楽曲を発表。シューマンに絶賛されるなど、その名はヨーロッパの楽壇で知られることになりました。

NAXOS の姉妹レーベルである GRAND PIANO ではファランクの没後150年にあたる2025年までに全6巻のピアノ作品全集を完成させる予定。その半分以上は世界初録音となる最新アルバム「ピアノ作品全集 2 - 主題と変奏 1」には、彼女が活躍した当時広く流行し、ファランク自身も得意としていたジャンルである変奏曲が収録されています。

ここではロッシーニの《チェネレントラ》の「悲しみよ去りゆけ」の旋律を用いた変奏曲や、スイス民謡を用いた変奏曲など、高い技巧を凝らした魅惑的な作品を楽しめます。

演奏するマリア・ストラティグーはルイーズ・ファランクの研究家で、練習曲に関する論文で博士号を取得しました。ファランク作品の演奏や講演を欧州各地で行い、数多くの賞を受賞しています。

また、ピアノ曲ばかりでなく、ファランクは1861年と1869年に管弦楽曲に対してフランス学士院よりシャルティエ賞を授与されたほどの才能の持ち主でした。その作品は長い間顧みられることがありませんでしたが、20世紀後半になって、クララ・シューマンを始めとした女性作曲家たちの存在が注目されるようになり、彼女の作品も演奏される機会が増えてきました。

「交響曲第1番」はドイツ古典派の流れを汲む堅固な構成と洗練された旋律を持つ作品。「ガレンベルク伯爵」(ベートーヴェンが「月光ソナタ」を献呈したジュリエッタ・グイチャルディの夫)の主題による変奏曲はピアノの華麗な技巧が存分に発揮された作品で、交響曲とは違う作風を味わうことができます。

リンク先:https://open.spotify.com/album/1w8UBm6umXZqMvVTbpi0i1
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第8回パウル・ヴラニツキー - Paul Wranitzky (1756-1808)
2023年8月18日配信開始~9月22日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。 第8回は、ハイドンやモーツァルトと親交を深め、当時のウィーン楽壇における重要な位置を占めるようになった作曲家、パウル・ヴラニツキーの作品を、全曲世界初録音でお届けします。
【プレイリスト】

1.劇音楽「ペルーのスペイン人、またはロラの死」 - 第1幕 序曲
2.劇音楽「イオランタ、エルサレムの女王」 - 第2幕 序曲
3.劇音楽「アフメットとツェニーデ」 - 第5幕 序曲
4.バレエ音楽「ずる賢い村娘」 - 序曲
5.バレエ音楽「ずる賢い村娘」 - 第6曲 アレグロ
6.バレエ音楽「森の娘」 - 第1幕 Andante - Allegro - Andante con moto - Poco più mosso - Larghetto - Allegretto – Allegro
7.パストラーレとアルマンド
8.交響曲 ニ長調 「狩り」 Op. 25 (拡張管弦楽版) - IV. Allegro, "La Caccia"
9.交響曲 ハ長調 Op. 33, No. 2 - II. Adagio
10.交響曲 ハ長調 「ドイツ皇帝、至高のフランシスの戴冠式の際に」 Op. 1 - I. Andante maestoso - Allegro vivace


マレク・シュティレツ (指揮) チェコ室内管弦楽団パルドビツェ


モラヴィア出身のパウル(パヴェル)・ヴラニツキーは、前回ピックアップしたサン=ジョルジュの11歳下でモーツァルトと同年生まれの作曲家。

20歳の時にウィーンに移住し、ハイドンやモーツァルトと交流を深めウィーン楽壇における重要な作曲家になった彼は、皇帝フランツ2世の妻マリア・テレジアのお気に入りとなり、彼女からしばしば宮廷の祝典音楽や、舞台作品の作曲を依頼されました。

現存している彼の数少ない舞台音楽の楽譜にはどの表紙にも「シンフォニア」のタイトルが付いており、これは彼にとって大きな仕事であった交響曲の制作と同じように重要であるという意味が込められているようです。そこには各幕のための序曲や行進曲などが含まれており、実際、後に彼はこれらを素材として交響曲を書いています。

『アフメットとゼニード』は1796年10月28日の初演。当時人気のあったトルコ音楽が採り入れられており、オーケストラの編成にはピッコロと、オスマン帝国の歩兵軍団「イェニチェリ」の音楽を表現するのに特徴的なトライアングル、シンバル、バスドラムが用いられた多彩な響きを楽しめます。


バレエ『森の娘』は円熟期の作品で、彼の最大の成功作の一つ。狩りに出かけたポーランドの王子が出会った野性的な少女を巡る物語は、彼の軽快な音楽とともにウィーンの人々を魅了しただけではなく、ヨーロッパ各地で上演され、ベートーヴェンやウェーバーにも影響を与えたとされています。


交響曲 ニ長調 「狩り」は当時人気を博していた狩猟音楽を採り入れたもので、トスカーナで行われたフェルディナントIII世の私的演奏会の際に加えられたトランペットとティンパノーネ(大型のティンパニ)を含む、拡張管弦楽版による初録音。

交響曲 ハ長調 「ドイツ皇帝、至高のフランシスの戴冠式の際に」 は、マリア・テレジアの孫フランツ2世の戴冠式のために作曲した華麗な作品。
全曲世界初録音によるプレイリストです。
(AUDIO/66分)
リンク先:https://naxosjapan.lnk.to/8.574454


聴いてみなくちゃはじまらない 『超レア作曲家事典』 Presented by Naxos Japan
第7回 / ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ - Joseph Bologne, Chevalier de Saint-Georges (1745-1799)
2023年7月14日配信開始~8月18日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。 第7回は、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとり、波乱万丈の生涯を送ったヴァイオリニスト、作曲家、指揮者、そして剣の達人である、ジョセフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュの超レア曲をお届けします。

【プレイリスト】
1. ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op. 2, No. 1 - I. Allegro
2. ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 2, No. 2 - I. Allegro
3. ヴァイオリン協奏曲 イ長調 Op. 7, No. 1 - II. Adagio
4. ヴァイオリン協奏曲 ト長調 Op. 7, No. 2 - III. Rondeau
5. 6つの協奏的四重奏曲 - 弦楽四重奏曲第1番 変ロ長調 - I. Allegro assai
6. 6つの協奏的四重奏曲 - 弦楽四重奏曲第2番 ト短調 - I. Adagio
7. 協奏交響曲 イ長調 Op. 9, No. 2 - I. Allegro
8. 交響曲 ト長調 Op. 11, No. 1 - III. Allegro assai
9. ヴァイオリン協奏曲第9番 ト長調 Op. 8 - I. Allegro

カリブ海のフランス領、グアドループ島出身のジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュ。アフリカ系の母親の血を引いたため褐色の肌を持った彼は、アスリートで剣の達人であるとともに、優れたヴァイオリニスト&作曲家として18世紀後半のフランスで活躍、「黒い肌を持つモーツァルト」の異名をとりました。
また彼の波瀾万丈の人生を描いた伝記映画『シュヴァリエ』の国内配信開始と、ヴァイオリニスト毛利文香のデビューアルバム「サン=ジョルジュ:ヴァイオリン協奏曲集 第3集」の発売時期が重なったことで、クラシック音楽愛好家の中でも改めて注目を集めている音楽家です。
サン=ジョルジュのヴァイオリン協奏曲は14作の存在が確認されており、その多くは2曲ずつペアで出版されています。前述のアルバムにも、そうした2組、4曲の協奏曲が収録されており、どの曲も技巧的なヴァイオリン独奏パートを中心として、モーツァルトを思わせる魅力的で多彩な楽想が展開します。毛利文香自身によるカデンツァも聴きどころです。

(AUDIO/63分) リンク先:https://naxosjapan.lnk.to/NYCX-10403

聴いてみなくちゃはじまらない 『超レア作曲家事典』 Presented by Naxos Japan
第6回 / カール・ツェルニー Carl Czerny (1791-1857)
2023年6月16日配信開始~7月14日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。 第6回は、ピアノ練習曲の作曲家として広く知られているツェルニーの、世界初録音!超レア曲をお届けします。

【プレイリスト】
ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op. 78 -
 1. Allegro 11:53
 2. Andantino con moto 12:39
 3. Rondo a la Polacca  9:49

4. ピアノ・コンチェルティーノ ハ長調 Op. 210 2:37

5. アンダンテとロンド Op. 213 - Andante grazioso  2:45

6. ウォルター・スコットの小説「ヴェイヴァリ」によるロマンティックな幻想曲 第1番 Op. 240 20:16 *

ローズマリー・タック (ピアノ)/イギリス室内管弦楽団/リチャード・ボニング (指揮)
ワン・ペイイ (ピアノ)/サミュエル・ギンガー (ピアノ)*

(AUDIO/59分)


【全曲世界初録音! カール・ツェルニー再評価の機運を感じているみなさんへ】
現在ではピアノ練習曲の作曲家として知られるカール・ツェルニーは、ベートーヴェン、クレメンティ、フンメルの弟子で、リストの師。19世紀のウィーンにおいてファッショナブルな作品で高い人気を誇り、数多くの練習曲で新しいピアノ演奏の技術を開発することで名声を得ていました。

彼は非常に謙虚な人柄であり、演奏技術の改良も「尊敬するベートーヴェンのソナタを弾くため」に行われたものでした。そのために彼が残した数多くのピアノ曲は、どれも高度な技術が用いられた演奏困難なものであり、ショパン作品よりも難しいとされる曲もあります。しかしツェルニー自身が宣伝しなかったため、そのほとんどが忘れられてしまいました。最近になってようやく、演奏機会が増えてきたこともあり、独自の作風が見直されています。

1824年のピアノ・コンチェルティーノ Op. 78 はディアベリ社から出版された明るく軽快な作品です。第1楽章の上昇する音階はいかにも練習曲風ですが、第2楽章はモーツァルトの第21番の協奏曲の緩徐楽章を思わせる美しい旋律に満たされており、ポロネーズのリズムが楽しい第3楽章で締めくくられます。

リンク先:https://open.spotify.com/intl-ja/album/195cdsfBtqwneyAHSWxqeu

聴いてみなくちゃはじまらない 『超レア作曲家事典』 Presented by Naxos Japan
第5回 / レオーネ・シニガーリャ Leone Sinigaglia (1868-1944)
2023年5月12日配信開始~6月16日配信終了
世界最大のクラシック・レーベル、Naxos(ナクソス・ジャパン)との提携により、今まで聴く機会が少なかった作曲家の珍しい作品をご紹介していきます。
第5回は、これぞ超レア作曲家といえるレオーネ・シニガーリャの作品をお届けします。

【プレイリスト】
1. アレグロ・エネルジコ 06:58
Allegro energico

2. ノヴェレッタ 05:42
Novelletta

3. 弦楽四重奏のためのアヴェ・マリア 01:41
Ave Maria for String Quartet

4. ロマンス Op. 3 07:22
Romanza, Op. 3

5. 弦楽三重奏曲 イ長調 - II. Andante, Tema con variazioni 04:55
String Trio in A Major - II. Andante, Tema con variazioni

6. トリオ=セレナータ(セレナード) Op. 33 - II. Intermezzo 06:06
Trio-Serenata (Serenade), Op. 33 - II. Intermezzo

7. 演奏会用練習曲 ニ長調 Op. 5 06:25
Concert-Étude in D Major, Op. 5

8. 2つの性格的小品 Op. 35 (弦楽四重奏版) - 第1曲 雨の歌 04:27
2 Characterstücke, Op. 35 (version for string quartet) - No. 1. Regenlied (Rain Song)

9. スケルツォ Op. 8 03:35
Scherzo, Op. 8

10. 神秘の時 02:52
Hora Mystica

11. 弦楽四重奏曲 ニ長調 Op. 27 - I. Allegro comodo 09:04
String Quartet in D Major, Op. 27 - I. Allegro comodo


【演奏】
アルコス四重奏団 (1~3, 7~11)
ヴァヴジニェツ・シマンスキ (ホルン)/アルコス四重奏団 (4)
マリア・オドヴォディ (ヴァイオリン)/ラデンコ・コスタディノフ (ヴィオラ)/フランチェスカ・フィオーレ(チェロ) (5~6)

(AUDIO/59分)


【解説】イタリア、トリノ出身のレオーネ・シニガーリャ(1868-1944)は、作曲家だけでなく登山家としても知られるユニークな人物です。ユダヤ系であったため、ナチス・ドイツに弾圧され悲劇的な死を迎えましたが、その作品はどれも彼が愛した山々のような清々しい美しさを誇っています。

シニガーリャは青年時代、休日になるとピエモンテの丘陵地帯で時を過ごし創造的なインスピレーションを得ただけではなく、イタリア北東部の山地「ドロミーティ・アルプス」の登山道の一覧表を作成するほど登山にのめり込んでいました。また音楽家としての彼はヴァイオリニスト、ジョヴァンニ・ボルツォーニの弟子であり、弦楽器の扱いのうまさは師匠譲りのものでした。

このプレイリストは弦楽四重奏を中心に選曲してありますが、ホルンをフィーチャーした「ロマンス」や、「トリオ=セレナータ」などの三重奏作品も聴きどころとなっています。
前述の「ロマンス」以外は全て世界初録音となる貴重なレパートリーをぜひお楽しみください。

リンク先:https://naxosjapan.lnk.to/8574495

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